幻の光
大学生の時に
扇町か十三のミニシアターで観た
「幻の光」という映画を思い出した。
主人公が嫁いだ能登半島の曾々木の海で
漁師は神秘的な美しさを放つ
幻の光を見ることがあり
それを見た漁師は
その光に吸い込まれたいという 衝動
にかられるという
ひとが
説明のつかない衝動にかられる
ということに強い興味と
共感と恐怖を抱いた記憶がある
大人になったら
自分も幻の光をみて
説明のつかない強い衝動に
絡めとられる時が来るかもしれない、と
大学生の私はぼんやりと思った
幸か不幸か
私にはその瞬間は訪れてはいないけど
その光を見たひとが
世の中にはたくさんいるような
気がしてならない
それなら
たくさんの説明のつかない出来事も
すべて
説明がつく