シャンドライの恋

久々に観たわ、この映画。



イギリス人ピアニスト「キンスキー」と
その使用人として彼の家に住み込みながら
医学の勉強をするアフリカ人女性「シャンドライ」の
恋を描いたベルトリッチ 1998年の作品。



予告編があまりにも印象的だったので
当時、映画館まで一人で観に行った。



ローマに住む彼らは2人とも外国人なので
会話はぎこちないし台詞はホントに少ない。
やっとしゃべったと思ったら
「結婚してくれ」だの「私を愛してくれ」だの
やたらストレートでエモーショナル。



セリフの代わりに音楽が
二人のバックグラウンドや
心情の変化を表現していく。



キンスキーの自分に対する愛に戸惑い
貴方のことも、貴方の音楽も理解できないと
言い放ったシャンドライが
キンスキーの内面に迸る旋律に
心を揺り動かされ
ひきよせられる重要なシーンだ。



さすがベルトリッチ、
映像美にはすごくこだわっていて
影の使い方が幻想的かつ官能的。
美しすぎます。



ラストでシャンドライは
究極の選択を迫られるんだけど
結末は描かれていない。



派手さはないけど
深い余韻を残す映画ですな。